この記事の監修・解説
山道 光作(やまみち こうさく)
パールスキンクリニック天神 院長
日本形成外科学会認定形成外科専門医・形成外科指導医
日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医
医学博士(MD, PhD)
ASPS(米国形成外科学会)国際会員
骨切りを含む輪郭形成手術を自ら数多く執刀。眼瞼下垂症の研究で博士号を取得し、学会発表・論文執筆を通じて臨床知見を発信し続けている。
「エラが張って見える」「顎がもたついている」というお悩みは、実は原因が一つではありません。骨格そのものが大きい場合、咬筋(噛む筋肉)が発達している場合、脂肪やたるみが原因の場合では、適した治療がまったく異なります。原因を誤って判断すると、効果が出なかったり、必要のない外科手術を受けてしまうことにもなりかねません。
この記事では、形成外科専門医の視点から、エラ・顎の輪郭整形における代表的な3つのアプローチ——骨切り(下顎角形成術)、咬筋へのボツリヌストキシン注射、脂肪吸引——の違いと、どう見極めるべきかを解説します。
まず確認すべきこと:原因は骨・筋肉・脂肪のどれか
カウンセリングで最初に行うべきは、視診・触診による原因の切り分けです。
- 骨格性:顎を強く噛みしめても輪郭の張りが変わらない場合、下顎角(エラの骨)そのものが大きい、あるいは外側に張り出している可能性があります。CT撮影で骨の形状・厚みを確認します。
- 筋肉性(咬筋肥大):噛みしめたときに明らかに張りが増す、食いしばりや歯ぎしりの自覚がある場合は、咬筋の発達が主な原因であることが多いです。
- 脂肪・皮膚のたるみ:骨格にも筋肉にも大きな問題がなく、フェイスラインにもたつきが見られる場合は、皮下脂肪の蓄積や皮膚のたるみが影響していることがあります。
これらは併存していることも多く、診察とCTによる画像診断が欠かせません。
ここで重要なのは、輪郭全体をトータルで診察することです。エラだけ、顎だけと部分的に診るのではなく、顔全体を俯瞰して手がけてきた医師だからこそ、「この骨をこのラインで削ったら、顔全体のバランスはどう変わるか」という完成形まで予測した上で治療方針を組み立てることができます。骨は一度削ると元に戻せないため、削る前にどんな輪郭に仕上がるかを見通せるかどうかが、満足度を大きく左右します。
骨切り(下顎角形成術)が適しているケース
骨格そのものにエラの張りの原因がある場合、根本的に輪郭を変えられるのは骨切りだけです。下顎角形成術は、エラの骨(下顎角部)を切除・削合して輪郭を内側に整える外科手術ですが、一口に「骨切り」といっても術式にはいくつかの選択肢があります。
代表的なのが、骨の外側だけを薄く削る外板削りと、エラの角そのものを切除する下顎角形成術です。前者は下顎角部の厚みが原因のケース、後者は下顎骨(エラ)の張り出し自体が大きいケースに適応し、両方を行うケースもあります。CT画像で骨の厚みと張り出しを立体的に確認しなければ判断できません。
術前には、CTデータをもとに下歯槽神経の走行位置を把握し、削合・切除のラインを事前に計画します。
この術式選択とフェイスラインのデザインの精度は、知識として術式を知っているだけでは身につきません。実際に下顎角形成術を数多く執刀し、骨の厚みや神経の走行を熟知しているからこそ、CT画像だけでは見えてこない「この骨ならどこまで削って安全か」を判断できます。
咬筋ボツリヌストキシン注射
噛みしめで張りが増す筋肉性のケースには、咬筋にボツリヌストキシンを注射し、筋肉の使用を抑えて自然な萎縮を促す方法があります。手術を伴わずダウンタイムも少なめですが、効果は一時的(数ヶ月程度)で、持続には定期的な注射が必要です。骨格そのものには作用しないため、骨格性の張りには向きません。
一見シンプルな施術に見えますが、「この張りは本当に筋肉なのか」「ボトックスで筋肉を萎縮させた場合、骨格とのバランスはどう見えるか」まで見立てられるかどうかで、提案の質は変わります。輪郭全体をトータルで診ているからこそ、ボトックスのような低侵襲の治療でも、その先にある顔全体の仕上がりまで踏まえた注射(施術)ができます。
脂肪吸引
フェイスラインのもたつきが脂肪やたるみによる場合は、フェイスライン脂肪吸引やバッカルファット除去などが選択肢になります。骨や筋肉には作用しないため骨格性・筋肉性の張りの改善にはなりませんが、骨切りに比べるとダウンタイムが短い施術となります。ただし皮膚の弾力が不足していると、脂肪除去後にかえってたるみが目立つことがあるため、皮膚の状態を含めた評価も必要です。
輪郭形成を執刀する専門医だからこそできる見極め
エラ・顎の輪郭の悩みは、骨・筋肉・脂肪のいずれが主因か、あるいは複合的に関わっているかによって、最適な治療がまったく異なります。この切り分けは、教科書的な知識だけでは難しく、輪郭形成を実際に執刀しているからこそ、ボトックスや脂肪吸引でどの程度改善を期待できるのか、さらに輪郭形成を行うとどのようなフェイスラインを目指すことができるのかを、見立てた上で判断できます。
当院では、形成外科専門医・美容外科専門医であり、自ら輪郭形成手術を執刀する院長が、本当に必要な治療は何かを見極めた上でご提案しています。
外科手術だけでなく、複数の選択肢を比較した上でご自身に合った治療を選んでいただくことが、満足のいく結果への一番の近道です。
※ 本記事で紹介した治療はいずれも自由診療であり、公的医療保険は適用されません。効果には個人差があります。また、いずれの施術にも出血・感染・神経損傷・左右差・腫れなどのリスク・副作用が伴う可能性があります。治療をご検討の際は、必ず医師による診察・カウンセリングを受けた上でご判断ください。
山道光作院長について
- 日本形成外科学会認定 形成外科専門医・形成外科領域指導医
- 日本美容外科学会(JSAPS)認定 美容外科専門医
- 米国形成外科学会(ASPS)国際会員
- 医学博士(眼瞼下垂の研究で学位取得)
- 元福岡山王病院 形成外科医長/元福岡大学医学部 臨床准教授
形成外科と美容外科、2つの専門医資格を併せ持ち、国際英文医学誌への論文掲載実績がある、日本でも数少ない美容外科医の一人です。

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※施術内容・効果には個人差があります。詳細はカウンセリングにてご確認ください。
この記事の監修・執筆:院長 山道 光作【日本形成外科学会認定専門医(指導医)・日本美容外科学会認定専門医(JSAPS)】https://www.pearl-skin.jp/doctors/



























