この記事の監修・執筆:院長 山道 光作【日本形成外科学会認定専門医(指導医)・日本美容外科学会認定専門医(JSAPS)】https://www.pearl-skin.jp/doctors/
「フェイスラインを細く見せたい」
「エラ張りを改善して、小顔に見せたい」
「エラボトックスで十分なのか、それとも骨切りが必要なのか分からない」
このようなお悩みでご相談いただくことは少なくありません。
エラ張りの原因には、大きく分けて
- 咬筋(筋肉)の発達
- 下顎角(骨格)の張り
- 皮下脂肪
- たるみ
など複数の要素があります。
そのため、“全員に同じ治療が適しているわけではない”という点が非常に重要です。
今回は、パールスキンクリニック天神 でご相談の多い、
- エラボトックス
- 下顎角形成(えら削り)
- それぞれの違い
- 適応
- 限界
- ダウンタイム
について、美容外科専門医の視点から解説します。
エラ張りの原因は「筋肉」と「骨」がある
まず重要なのは、「エラ張り=すべて骨ではない」ということです。
実際には、エラ部分のボリュームの原因として多いのは、咬筋(こうきん)と呼ばれる噛む筋肉の発達です。
特に、
- 食いしばり
- 歯ぎしり
- 咬合力が強い
- 咬筋が発達しやすい骨格
では、筋肉由来のエラ張りが目立つことがあります。
一方で、
- 正面から見た下顎外側の張り出し
- 下顎角の突出
- 骨格そのものの横幅
が強い場合は、骨格要素が主体となります。
つまり、まずは「筋肉なのか、骨なのか」を診断することが重要なのです。
エラボトックスとは?
Botulinum toxin を咬筋へ注射し、筋肉の働きを弱めることで、エラの張り感を改善する治療です。
エラボトックスのメリット
- 切開不要
- ダウンタイムが少ない
- 比較的手軽
- 食いしばり改善にも有効
- 初めての小顔治療として受けやすい
特に、「筋肉由来のエラ張り」では有効性が高いことがあります。
エラボトックスの限界
一方で、エラボトックスにも限界があります。
骨格そのものは変わらない
ボトックスは筋肉へ作用する治療であり、骨を小さくする治療ではありません。
そのため、
- 下顎角が大きい
- 骨格自体の横幅が広い
- 下顔面の骨性突出が強い
といった場合には、変化に限界があります。
効果は永久ではない
一般的に、効果は数か月単位で徐々に減弱します。
そのため、継続治療が必要になるケースもあります。
痩せすぎ・こけ感
過度に咬筋を弱めると、
- 頬こけ
- 老け感
- 咀嚼疲労感
につながる場合もあります。
そのため、単純に「強く打てばよい」という治療ではありません。
下顎角形成(えら削り)とは?
下顎角形成は、下顎角(mandibular angle)の骨を切除・形成することで、フェイスラインを整える輪郭形成術です。
一般的には「えら削り」と呼ばれることもあります。
骨格そのものへアプローチするため、
- 骨性エラ張り
- 下顔面横幅
- フェイスラインの直線感
に対して、より本質的な改善を目指すことができます。
下顎角形成の特徴
骨格レベルで変化を出せる
エラボトックスでは難しい、
- 骨の横幅
- 下顎角の張り
- フェイスライン輪郭
へ直接アプローチ可能です。
半永久的変化
骨を形成するため、基本的には長期的変化が期待できます。
ダウンタイム・侵襲は大きい
一方で、
- 腫れ
- 内出血
- 感覚鈍麻
- 左右差
- 咬筋付着変化
- たるみ
など、ボトックスより侵襲は大きくなります。
また、輪郭形成は高度な解剖理解と術前デザインが重要です。
「エラボトックスで十分な方」と「骨切り適応の方」
エラボトックスが向いているケース
- 咬筋発達主体
- 食いしばりが強い
- 骨格突出が軽度
- ダウンタイムを抑えたい
- まずは試したい
下顎角形成が検討されるケース
- 明らかに骨性突出が強い
- 下顔面横幅を改善したい
- 正面の輪郭変化を希望
- 確実な小顔変化、フェイスライン改善を希望
- ボトックスではエラが縮まなかった
実際には、筋肉と骨の両方が関与しているケースも多く、診察での評価が重要になります。
美容外科で重要なのは「適応判断」
美容外科では、「できる治療」を提案するだけでは十分ではありません。
重要なのは、
- どの原因が主体なのか
- どこまで変化可能か
- 何が限界か
- どの治療が自然か
を見極める“適応判断”です。
特に輪郭形成は、単純に小さくすれば良いわけではなく、顔全体のバランスや皮膚・軟部組織との調和も重要になります。
まとめ
エラ張り改善では、
- 咬筋主体 → エラボトックス
- 骨格主体 → 下顎角形成
が基本的な考え方になります。
ただし、実際には筋肉・骨・脂肪・たるみが複合的に関与しているケースも多く、正確な診断が重要です。
パールスキンクリニック天神 では、輪郭形成・フェイスライン治療において、骨格・筋肉・軟部組織を総合的に評価しながら、患者様ごとの適応を大切にしています。
※自由診療(保険適用外)
※適応は医師の診察により判断されます。
※施術には腫れ・内出血・感染・左右差・神経障害などのリスクがあります。