近年、費用の安さや独自のデザインを求めて、海外で鼻整形を受ける方が増えています。一方で、帰国後に「仕上がりが想定と異なる」「痛みや腫れが長く続く」「感染症が起きた」といったトラブルを抱えて来院される方も、当院では少なくありません。
本記事では、海外での鼻整形に多いトラブルの種類と、修正が必要になった際に何を確認すべきかについて、形成外科専門医の立場からご説明します。
この記事でわかること
- 海外の鼻整形でよく起こるトラブルの種類
- 帰国後に症状が出やすいタイミングと理由
- 日本で修正手術を受ける際の注意点
- 当院(パールスキンクリニック天神)での対応内容
海外での鼻整形でよく見られるトラブル
帰国後に修正を希望される方の症例を通じて見えてくる、代表的なトラブルをご紹介します。
① 寄贈肋軟骨の吸収・感染
寄贈軟骨の感染、生着不良による吸収で鼻の形が期待通りにならないケースがあります。
② プロテーゼのずれ
鼻筋を高くする手術では、シリコンプロテーゼを鼻骨上に挿入します。海外で行われた手術の場合、術後の安静が十分にできず(術後に移動などがあるため)、プロテーゼがわずかにずれたり、皮膚の薄い部分から透けて見えたりするケースがあります。
特に鼻先にプロテーゼを入れるL型プロテーゼは、長期的に鼻先の皮膚を圧迫し続けるリスクがあり、日本の形成外科学会では使用を推奨しない傾向があります。
③ 感染・炎症の遷延
手術後の感染は、どの国でも起こりうる合併症ですが、術後管理(アフターケア)が不十分な場合や、処方された抗生剤を正しく使用できなかった場合にリスクが高まります。海外での手術後は帰国のスケジュールが影響し、術後の通院が難しいケースもあります。
感染が慢性化すると、プロテーゼの抜去が必要になることがあります。抜去後の鼻は、一時的に形態が変化しますが、状態が安定してから再建を検討することが可能です。
④ 傷跡・瘢痕の問題
鼻の手術では、鼻柱(左右の鼻の穴の間)や鼻の内側に切開を入れることがあります。縫合の方法や術後のケアによっては、傷跡が目立ったり、瘢痕拘縮(きずが引きつる状態)が生じることがあります。
⑤脂肪吸引後の皮膚壊死
脂肪吸引やペリカン手術後に感染や皮膚壊死となったケース
⑥ヒアルロン過剰注入
額に過剰なヒアルロン酸注入を受け、不自然なおでこになり、溶解を行ったケース
⑦ヒアルロン酸注入後の塞栓による皮膚障害
ヒアルロン注入後に動脈系の塞栓が起こり、複視となった症例
トラブルが「帰国後」に顕在化しやすい理由
海外で手術を受けた直後は大きな問題がなくても、帰国後しばらくしてから不具合に気づくケースがあります。その理由としては以下が挙げられます。
- 腫れが引いた後に左右差や形の問題が明確になる
- 術後の経過観察や処置ができないまま長期経過する
- 言語の壁により、手術の内容や使用素材の詳細が不明のまま
- 術後に異常があっても現地医師への連絡が難しい
帰国後に何らかの症状や違和感を感じた場合は、自己判断せず、形成外科または美容外科専門医への受診を早めにご検討ください。
修正手術を受ける際に知っておくべきこと
まず「状態の正確な把握」が最優先
修正手術は、初回手術よりも技術的難易度が高くなります。癒着・瘢痕・残存している素材の状態によって対応が大きく異なるため、まず術前の診察・画像診断(CTなど)による現状把握が必要になります。
「すぐに修正できますか?」というご相談をいただくことがありますが、炎症や感染が残っている状態での手術は再トラブルのリスクが高く、感染管理・炎症鎮静を先に行う場合があります。
使用された素材の情報をできる限り準備する
修正手術を安全に行うためには、前回の手術で何が行われたかを把握することが重要です。手術記録・使用素材のメモ・術前術後の写真などがあれば、持参するようにしてください。海外の医療機関の資料であっても、紹介状をご持参いただけると、診察の精度が上がります。
「安さ」を優先した再修正は慎重に
修正手術をさらに安価な施設で再度受けるという選択肢もありますが、修正を重ねるほど組織の状態は複雑になり、最終的な仕上がりと安全性の確保が難しくなります。修正手術については、形成外科的な知識・技術のバックグラウンドを持つ医師による対応が、より重要になります。
当院(パールスキンクリニック天神)での対応について
パールスキンクリニック天神では、院長・山道光作(日本形成外科学会認定形成外科専門医・指導医、日本美容外科学会認定美容外科専門医〔JSAPS〕、医学博士)が、他院および海外での手術後の修正相談に対応しています。
対応例(一部)
- 海外でのプロテーゼ挿入後のずれ・突出に対する抜去・入れ替え
- 鼻先への軟骨移植(耳介軟骨・肋軟骨)による形態改善
- 傷跡修正・瘢痕の治療
初診では、まず現在の状態を詳しく確認したうえで、修正の方針・リスク・回復期間についてご説明します。手術を前提とした診察ではなく、現状の整理と情報提供を目的としたご相談も承っています。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。個別の症状・状態については、必ず医師にご相談ください。
海外での手術後にお悩みの方へ
症状が気になる方、修正の可能性について知りたい方は、お気軽に当院へご相談ください。診察のご予約は、公式サイトのお問い合わせフォームまたはお電話にて承っております。
監修:山道 光作(パールスキンクリニック天神 院長)
日本形成外科学会認定専門医・指導医 / 日本美容外科学会認定専門医(JSAPS)/ 医学博士
眼瞼下垂を中心とした形成外科的基盤のもと、鼻整形・輪郭形成など幅広い美容外科手術に携わる。他院・海外手術後の修正対応も行っている。