監修:パールスキンクリニック天神 院長 山道光作 医師(KOSAKU YAMAMICHI, MD, PhD) (日本形成外科学会認定形成外科専門医(指導医)/日本美容外科学会(JSAPS)認定美容外科専門医/医学博士)
鼻を整える手術というと、「鼻先を高くする」「鼻筋を通す」といった一般的な美容鼻形成をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、斜鼻(鼻が左右どちらかに曲がっている状態)の矯正 は、その中でもひときわ専門性の高い分野です。
なぜなら、斜鼻矯正は単に「鼻を高くする」手術ではなく、骨・軟骨・鼻中隔という鼻の構造そのものを立体的に適切な形態へ組み替える 手術だからです。美容外科クリニックの中には、ヒアルロン酸注入や鼻尖形成までは扱っていても、骨切りを伴う斜鼻の複合手術には対応できないところも少なくありません。
Plastic surgery can make patients smile and feel happy after surgery. Rhinoplasty is a surgical procedure that involves altering the shape of the nose. Before rhinoplasty, the doctor examines the patient’s nose.
斜鼻はなぜ「曲がって」しまうのか
斜鼻には、大きく分けて次のようなタイプがあります。
骨性斜鼻 :鼻骨そのものが左右非対称に成長・変形している
軟骨性斜鼻 :鼻中隔軟骨や上外側鼻軟骨の後天性弯曲によるもの
外傷性斜鼻 :過去の鼻骨骨折の治癒過程で生じたもの
複合型 :骨と軟骨の両方に変形がまたがるC字型・S字型の斜鼻
特に複合型は、骨と軟骨それぞれに対して異なるアプローチが必要になるため、術前診断、評価の精度と、複数の術式を組み合わせて再構築するための専門技術の両方が求められます。
斜鼻矯正に用いられる主な術式
斜鼻を根本から矯正するためには、以下のような技術を、症例に応じて組み合わせて用います。
鼻骨骨切り
左右に偏位した鼻骨を、内側・外側からの骨切りによって正中に戻す基本術式です。骨切りのパターンも複数あり、症例によって骨切りデザインを使い分ける必要があります。骨切りによって、鼻骨の可動性を作り出したうえで、正確な位置に固定する必要があります。
鼻中隔矯正術
斜鼻の多くは、実は鼻の内部にある鼻中隔(軟骨・骨の板)の弯曲が原因になっています。弯曲した部分を切除・修正し、鼻の「土台」を正中に整える、機能面(鼻づまり改善)にも直結する術式です。
SMR(粘膜下鼻中隔切除術)
鼻中隔弯曲が強い場合に、粘膜を温存しながら弯曲した軟骨・骨部分を切除する術式です。呼吸機能の改善と、後述するグラフト材料の採取を兼ねることもあります。
スプレッダーグラフト
鼻中隔と上外側鼻軟骨の間に自分の軟骨を移植し、鼻背のラインを整えつつ、鼻腔の内腔(鼻弁)を広げて機能面も補強する術式です。斜鼻矯正後の鼻背の直線性を保つうえで重要な役割を果たします。
鼻尖形成術
鼻中隔や骨格の矯正に伴って歪みが生じやすい鼻尖部を、軟骨の形成・縫合によって左右対称に整えます。
肋軟骨移植
鼻中隔軟骨だけでは矯正に必要な支持力や量が不足する場合、自家組織である肋軟骨を採取し、鼻の支柱(L-strut)や移植材料として用います。特に重度の斜鼻や修正手術で検討する選択肢となります。
なぜ「複合手術」としての技術力が問われるのか
これらの術式は、単独で行っても斜鼻は治りません。骨切りだけ行えば軟骨の弯曲が残り、軟骨だけ矯正しても骨格のズレが残ります。つまり斜鼻矯正とは、骨・鼻中隔・軟骨移植を一つの手術デザインとして統合し、機能(呼吸)と整容(見た目の直線性)を同時に成立させる再構築手術 です。
これは、美容鼻形成の技術だけでなく、形成外科領域における鼻形成で培われる構造的な診断・再建の視点があってはじめて成立します。
斜鼻矯正術の主なリスク
斜鼻矯正術は、構造的な鼻の曲がりを土台から修正し、外鼻形態も美的に整える手術ですが、骨の変形には後戻りというリスクが一定の確率で種々の程度でみられます。後戻りはまったくないこともありますが、若干の曲がりの後戻りの可能性があることをご理解・ご認識いただく必要があります。 その後戻りリスクを最低限に留めるために、スプレッダーグラフトや鼻尖形成術をあわせて行い、曲がりの再発を抑えます。 当院では、斜鼻矯正、鼻骨骨切り術のエキスパートである院長が、少なめのダウンタイムで、後戻りを最低限に抑え、美的な仕上がりにこだわった斜鼻矯正複合手術を行っております。
形成外科と美容外科、両方の専門性が求められる理由
パールスキンクリニック天神 院長・山道光作は、日本形成外科学会認定 形成外科専門医・指導医と、日本美容外科学会(JSAPS)認定 美容外科専門医の両方 を取得しています。
斜鼻矯正のように、骨切り・鼻中隔操作・軟骨移植という再建外科的な技術と、仕上がりの繊細な美的判断の両方が問われる手術では、この二つの専門性を併せ持つことが、手術デザインの精度に直結します。米国形成外科学会(ASPS)国際会員でもあり、鼻整形に関する研究論文を国際誌 Aesthetic Surgery Journal Open Forum (Oxford University Press)に発表するなど、学術面での裏付けも継続的に積み重ねています。
症例紹介:斜鼻の複合手術
今回ご紹介する症例は、鼻骨・鼻中隔の複合的な弯曲による斜鼻に対し、骨切り・鼻中隔矯正・グラフトを組み合わせた複合手術を行ったケースです。術後、鼻筋のラインが正中に整い、左右対称性が大きく改善しています。術後は鼻閉感もすっかり改善し、経過にご満足いただけました。
【施術内容】斜鼻矯正複合手術 【料金の目安】150万円〜250万円(税込) 【主なリスク・副作用】痛み・赤み・腫れ・内出血・鼻血・創離開・感染・後戻り・鼻閉・傷跡・一時的な感覚鈍麻など ※自由診療(保険適用外)。医師の診察により適応を判断します。効果の感じ方・経過には個人差があります。Before/After写真は、同意の元、個人が特定されないよう配慮のうえ掲載しています。
斜鼻矯正術のダウンタイム目安
骨切り・鼻中隔矯正・軟骨移植を組み合わせる複合手術のため、鼻尖形成のみの手術と比べるとダウンタイムはやや長めです。あくまで目安であり、術式の組み合わせや個人差によって前後します。
時期 状態の目安 手術当日〜3日目 鼻内にパッキング・シーネ(外固定)を装着。鼻づまり・圧迫感あり。クーリング継続し、頭部の安静が必要。 4日目〜1週間 腫れ・内出血が目立ちやすく、患部の安静が必要。眼鏡がかけられません。 1〜2週間 1週間後ごろ、外固定(ギプス)を除去。内出血は徐々に軽快。マスクでの外出は可能なレベルまで改善。患部の安静が必要。 2〜3週間 強い腫れは落ち着き、日常生活・お仕事への支障は少なくなります。夜間のみギプス固定。 1〜3ヶ月 浮腫み・腫れ・違和感などが残ることがあります。うつ伏せ、鼻かみ、鼻への刺激があるようなスポーツ(ボクシング・空手・レスリング)などは3ヶ月禁止。エクササイズ、ジョギングなどはOK。 3ヶ月〜1年 骨・軟骨が安定し、最終的な仕上がりに近づきます。
洗髪・シャワー:翌日以降、患部に水がかからなければ可能
激しい運動・サウナ・飲酒:腫れ・内出血の悪化を避けるため1ヶ月程度は控えていただきます
抜糸:1週間後頃、抜糸を行います。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 斜鼻矯正術は保険適用になりますか? 鼻中隔の弯曲によって鼻づまりなど機能的な問題(睡眠時無呼吸、慢性的な鼻閉など)が診断された場合、鼻中隔矯正術(弯曲矯正)自体は保険診療の対象となることがあります。ただし、美容目的の外鼻形成術を併用する場合は自由診療となるのが一般的です。当院では、美容的な仕上がりを重視した美容鼻形成を基準としており、自由診療で行っています。
Q2. 手術時間は、どれくらいかかりますか? 弯曲の程度や組み合わせる術式(骨切り・スプレッダーグラフト・肋軟骨移植の有無など)によって異なりますが、複合手術の場合は2〜4時間程度を要することが多いです。
Q3. 術後の痛みはどの程度ですか? 鼻の内部の圧迫感・鼻づまり感が中心で、強い痛みを訴える方は比較的少ない傾向にあります。鎮痛剤で対応可能な範囲であることがほとんどです。
Q4. 完全に左右対称にはなりますか? 斜鼻矯正術によって多くの方が大きな改善を実感されますが、人の顔は元々、生理的な非対称もあるため、100%の左右対称を保証するものではありません。また、骨・軟骨の治癒過程では若干の後戻りもあります。当院では、最終的な結果が極力(ほぼ)まっすぐになるよう、またダウンタイムを最小限にできるようにエキスパート鼻外科医が工夫を加えて手術を担当しております。骨格・軟骨の状態を踏まえた「美的バランスの取れた直線性」を目標に手術デザインを行っています。
Q5. 肋軟骨移植は必ず必要ですか? 必須ではありません。鼻中隔軟骨で十分な支持力が確保できる場合は、鼻中隔軟骨や耳介軟骨を利用します。弯曲が強い症例や修正手術など、軟骨の量・強度が不足するケースで肋軟骨移植を検討します。
Q6. 呼吸のしやすさも改善しますか? 斜鼻の原因が鼻中隔弯曲にある場合、SMRや鼻中隔矯正術によって鼻腔の通気性が改善し、鼻づまりの軽減が期待できます。見た目の直線性と機能の両方を同時に検討できる点が、この手術の特徴です。
Q7. 他院で受けた鼻整形の修正も可能ですか? 可能です。むしろ修正手術こそ、骨・軟骨・鼻中隔を含めた立体的な再構築の知識が必要となるため、複合手術の経験が生きる領域です。過去の手術内容によって難易度は異なるため、まずはご相談ください。
まとめ
斜鼻矯正術は、美容鼻形成の中でも「対応できる医師が限られる」専門領域です。鼻骨骨切り・鼻中隔矯正術・SMR・スプレッダーグラフト・鼻尖形成術・肋軟骨移植といった複数の技術を、患者様一人ひとりの骨格・軟骨の状態に合わせて組み合わせる設計力が求められます。
鼻の曲がりでお悩みの方は、機能面(呼吸のしやすさ)と整容面(見た目の直線性)の両方を診断できる、形成外科・美容外科双方の専門性を持つ医師への相談をおすすめします。
【執刀・解説医師】 美容外科・美容皮膚科・形成外科 パールスキンクリニック天神 院長 山道 光作 M.D., Ph.D 🏅日本美容外科学会(JSAPS)認定 美容外科専門医 🏅日本形成外科学会認定 形成外科専門医(指導医) 🎖️米国形成外科学会 国際会員 🎖️医学博士
【山道医師の鼻整形における学術業績】 🌏 オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)が発刊する国際美容外科誌 Aesthetic Surgery Journal Open Forum に、鼻整形に関する研究論文が掲載されました。
https://academic.oup.com/asjopenforum/article/doi/10.1093/asjof/ojaf110/8249479
🏆 山道院長の鼻整形における研究は、スイスCrisalix社の公式Publicationsに収載され、同社の3Dシミュレーション技術の発展と臨床応用への貢献を評価され、クリスタルトロフィー(Crisalix 3D Expert Certificate)が授与されました。
https://www.crisalix.com/en/publications
📘 『外眼部アトラス』(総合医学社) 「眼瞼下垂/偽性眼瞼下垂(眼瞼皮膚弛緩症)」執筆
🎓 眼瞼下垂・眉下切開に関する臨床研究により医学博士号を取得
🏥クリニック情報・カウンセリングのご予約 パールスキンクリニック天神 住所:福岡市中央区天神3-5-13 山道歯科医院ビル3F 電話:092-401-0082 診療時間:10:00〜19:00 休診日:水日祝
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